理学療法のための運動生理
Print ISSN : 0912-7100
体幹等速回旋運動時の循環動態変動
― 運動時間一定下の異なる角速度の比較 ―
楢原 貴雄田中 正一白土 瑞穂明日 徹井上 靖朗後藤 博史稗田 寛
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1992 年 7 巻 4 号 p. 209-214

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抄録

今回我々は体幹の等速回旋運動時の角速度の相違による循環動態変動の相違を調査した。健常入男性8名を対象に一定の時間下(20秒)で3つの角速度における心拍数、血圧の測定を行った。その結果次の知見を得た。(1)心拍数(HR)、収縮期血圧(SBP)、拡張期血圧(DBP)、平均血圧(HBP)の上昇度の各角速度群間の比較で有意差が認められたのは、DBPの60°/s<120°/sとSBPの60°/s<120°/s、90°/s<120°/sであった。(2)回復時間で有意差が認められたのはHRの60°/s<90°/s、60°/s<120°/s、DBPの60°/s<120°/s、MBPの60°/s<120°/sであった。これらの結果より3つの角速度の中で60°/sが循環器へのストレスが少ないと思われた。しかし、実際に訓練や評価に用いるには運動時間を考慮する必要があると考えられた。

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