理学療法科学
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脊髄損傷者の腰椎骨密度について ―車椅子スポーツの影響―
松下 裕之東 利雄山本 行文米満 弘之樋口 幸治
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1995 年 10 巻 2 号 p. 97-99

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抄録

この研究の目的は,Dual-energy X-rayabsorptiometry(DEXA)を用いて,車椅子を常用している脊髄損傷者の腰椎骨密度測定を行い,車椅子スポーツが腰椎骨密度に与える影響について検討することである。対象者は,頚・脊髄損傷者の男性32名(頚髄損傷2名,胸髄損傷25名,腰髄損傷5名)であった。対象者を車椅子スポーツ群,車椅子非スポーツ群の2群に分け,腰椎骨密度と体重,除脂肪体重,受傷後の経過期間との関係を検討した。結果より,車椅子スポーツ群は,骨密度と受傷から測定期間との間に相関は認められなかった。また,車椅子スポーツ群の骨密度の平均値は,車椅子非スポーツ群・健常非スポーツ群よりも高い値を示し,健常スポーツ群との間で有意差を認めなかった。受傷後にスポーツ活動を行うことは,腰椎骨密度の低下を防ぐ重要な因子と思われる。

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