理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
徒手理学療法におけるイリタビリティーの概念について
斉藤 昭彦
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 11 巻 1 号 p. 43-47

詳細
抄録

この論文の目的は,徒手理学療法におけるイリタビリティーの概念について解説し,イリタビリティーの評価の実際およびイリタビリティーと検査・治療との関係について記述することである。イリタビリティーとは種々の動作によって患者の状態悪化が引き起こされる可能性の程度であり,1)痛みを引き起こす活動量,2)出現した痛みの強度,3)出現した痛みの回復時間の3つの要素から決定される。イリタビリティーはまず,病歴聴取の段階で患者の訴えに基づいて決定され,身体的検査,治療を通して修正される。イリタビリティーの評価により患者の許容量を考慮した適切な検査,治療が可能となる。また,イリタビリティーは治療効果の指標あるいは臨床教育におけるコミュニケーションの手段としても有用である。

著者関連情報
© 理学療法科学学会
前の記事 次の記事
feedback
Top