理学療法科学
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脳卒中患者におけるPCIの再現性について
島田 裕之富井 豊人清水 智英子亀田 美保三浦 ひろ子原 弘和田中 敦
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キーワード: PCI, 再現性, 脳卒中患者
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1996 年 11 巻 4 号 p. 179-184

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抄録

脳卒中患者20名を対象に,歩行速度を「楽に」,「最も速く」と指示し,この2条件でPCIを3日間連続測定し,PCI及び,PCIを算出するにあたって必要である各変数の再現性を検証した。また,再現性の観点から,PCIを用いることが可能な脳卒中患者について検討した。PCIは二元配置分散分析により測定日間全体に有意差は認めらず,再現性が確認された。また級内相関係数は,歩行条件「楽に」では0.90,「最も速く」では0.89と非常に高い相関を示し,再現性の高さが示された。変動係数では,歩行条件「楽に」において平均11.3%,「最も速く」では平均7.6%であった。この変動は,PCIを算出する基礎となる安静時心拍数と,歩行条件「楽に」においては,歩行前後の心拍数変化,歩行速度によっても生じることが示唆された。また,再現性の観点から,PCIを用いることが可能な脳卒中患者の対象条件については,今回用いた個人のプロフィール(年齢,発症からの期間,身体構成,Brunnstrom Stage,10m最大歩行速度,Barthel Index)にばらつきがあったとしても,脳卒中患者においてPCIは使用可能であるという結果が得られた。

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