理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
11 巻 , 4 号
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  • 福田 敏幸, 新谷 和文
    1996 年 11 巻 4 号 p. 173-177
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    健常者6名と片麻痺患者6名を被検者とし筋疲労の特性を検討するために筋電図を用いた周波数分析を行った。仰臥位にて足部に体重の5%の重錘を固定し,膝軽度屈曲位より伸展位までの運動を2秒に1回の割合で5分間実施させた。筋電図波形は運動前と運動中各1分毎に5秒間の伸展位保持をさせ内側広筋より採取した。採取した筋電波形をFFTにより処理し,中央周波数(MF)の変化率により比較検討を行った。結果として,両者間においてはその変化に統計的な有意差が確認できた。特に片麻痺群においては運動前と2分後以降の値に有意な差(低周波化)が確認できた。そしてその変化は2次関数的変化と適合がよかった。健常群においても経時的に低周波化が認められたが統計的に有意差は無かった。
  • 島田 裕之, 富井 豊人, 清水 智英子, 亀田 美保, 三浦 ひろ子, 原 弘和, 田中 敦
    1996 年 11 巻 4 号 p. 179-184
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    脳卒中患者20名を対象に,歩行速度を「楽に」,「最も速く」と指示し,この2条件でPCIを3日間連続測定し,PCI及び,PCIを算出するにあたって必要である各変数の再現性を検証した。また,再現性の観点から,PCIを用いることが可能な脳卒中患者について検討した。PCIは二元配置分散分析により測定日間全体に有意差は認めらず,再現性が確認された。また級内相関係数は,歩行条件「楽に」では0.90,「最も速く」では0.89と非常に高い相関を示し,再現性の高さが示された。変動係数では,歩行条件「楽に」において平均11.3%,「最も速く」では平均7.6%であった。この変動は,PCIを算出する基礎となる安静時心拍数と,歩行条件「楽に」においては,歩行前後の心拍数変化,歩行速度によっても生じることが示唆された。また,再現性の観点から,PCIを用いることが可能な脳卒中患者の対象条件については,今回用いた個人のプロフィール(年齢,発症からの期間,身体構成,Brunnstrom Stage,10m最大歩行速度,Barthel Index)にばらつきがあったとしても,脳卒中患者においてPCIは使用可能であるという結果が得られた。
  • 與儀 清武, 長嶺 功一, 親川 勝, 粟国 敦男, 宮城 淳
    1996 年 11 巻 4 号 p. 185-189
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    我々は独立歩行可能でクラウチング歩行を呈した脳性麻痺痙直型両麻痺児に対し,歩容改善のため観血的に下肢の軟部組織解離術を実施した6例の長期経過から,術式と術前後の歩容について検討した。全症例で術前の歩容よりは改善しているが,軟部組織解離術のみでは股関節内旋歩行が残存し,減捻骨切りの適応が高い。足関節尖足に対する腓腹筋延長では足趾離地時に過剰な収縮や尖足歩行が残存し,トリプルカットによるアキレス腱延長の方が歩容がよい。腸腰筋とハムストリングの短縮が再発しやすく,大腰筋の筋力が減少する手術が望ましい。手術は,動的評価による術式の決定,年齢を考慮し,多関節アラインメントを一度に整え,多関節筋に対して実施する。術後は訓練および装具装着の徹底など術後の管理が重要である。
  • 井ノ上 修一, 黒木場 博幸, 林田 友一, 林田 一夫, 迫田 馨
    1996 年 11 巻 4 号 p. 191-196
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    当院では両膝とも手術適応のある変形性膝関節症患者に対して積極的に両側同時TKAを行い, 片側のみのTKAと同様のプログラムで術後の理学療法を進め,looseningなどを起こすことなく順調に現在に到っている。今回当院での後療法プログラムを紹介するとともに,両側同時でも片側のみと同様にプログラムを進める当院での方法を機能的な面から検証した。対象は, すでに退院して機能的に安定したと考えられる40名(両側同時TKA20名,片側TKA20名)とし,方法は膝ROMと歩行速度について測定し比較した。結果は両群の間で差は認められず,両側同時でも片側のみのプログラムに手を加えることなく同様に進める方法も有用であると考えられた。
  • 和泉 謙二, 岡田 幸子, 早川 和秀, 川上 知子, 佐々木 伸, 森福 研一
    1996 年 11 巻 4 号 p. 197-200
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    大腿骨頚部骨折患者のうち,観血的治療を施した96例を対象とし,受傷前・退院時歩行レベル,合併疾患の有無,理学療法経過などをカルテより調査し,退院時歩行レベルに影響を与える阻害因子について検討した。退院時,T杖歩行自立できなかった群では自立した群に比較し,(1)受傷前からの合併疾患の有無,(2)老人性痴呆の有無,(3)理学療法経過,(4)受傷前歩行レベルの各項目で有意な差を認めた。本研究の結果,退院時歩行レベルが低く予想される症例に対する理学療法を含めた,医師,看護婦,理学療法士などのチームアプローチの重要性が示唆された。
  • 寺本 喜好, 臼井 永男
    1996 年 11 巻 4 号 p. 201-206
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    成人の股関節症は,関節組織の変形拘縮を特徴とし,疹痛,開排制限があって脚長差を伴った破行が見られる骨系統の疾患である。さらに当疾患は平衡機能にも支障をきたし,重心のバランス維持にも一定の困難さのあることが考えられる。今回,平衡機能を測定した股関節疾患患者に,骨盤調整(PAM)を施すことによって,脚長差,重心位置,重心動揺面積,重心ローテーション(CGR)の大きさなどの変化が,どの程度改善されるかを計測し,併せてCGRやPAMの有効性について検討した。その結果,股関節疾患患者は健常者と比べ立位・片足立ちとも動揺面積に大差は見られなかったが,CGRの軌跡の前後・左右径は約1/2ほどであり,股関節運動の支障が全身の行動範囲を狭め,円滑な重心点の軌跡が描けなかった。ところが,PAMによって脚長差,前後方向の重心位置に変化がみられ,立位・片足立ち動揺面積,CGRの左右径にも改善がみられたことから,仙腸関節が生体機構の要となり,股関節の運動に直接関与していると考えられた。さらに,股関節疾患患者がCGR運動やPAMを繰り返すことは,全身の平衡機能の向上に有効であることが示唆された。
  • 斎藤 昭彦
    1996 年 11 巻 4 号 p. 207-209
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    本論では頭痛の知覚に共通する神経解剖学について記述する。頭痛には種々の原因が考えられ,またその臨床像も多様であるが,多くの頭痛に共通する神経解剖学的基礎が存在する。侵害受容器性の情報は三叉神経脊髄路核と上位頚髄とによって形成される三叉頚髄核という中継核によって伝えられる。この三叉頚髄核には,三叉神経,上位頚神経をはじめ舌咽神経,迷走神経の終末が存在し,核内ニューロンの活性化によって上位中枢ヘインパルスが送られ頭痛が知覚される。また,三叉頚髄核におけるこれらの求心性線維の収束は関連痛を引き起こす。
  • 國井 麻里, 黒澤 美枝子
    1996 年 11 巻 4 号 p. 211-220
    発行日: 1996/11/20
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    心筋を栄養する冠状動脈に著しい狭窄や閉塞が起こると,心筋が壊死を起こし,いわゆる心筋梗塞と呼ばれる状態になる。そして心筋の壊死に伴い,心電図,心エコー図,心筋シンチグラフィ,血液生化学検査などにおいて独特の変化が現れてくる。本稿では,循環器系に対する臨床検査法として心筋梗塞を例にとりあげ,その診断上重要な臨床検査法について概説した。
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