理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
入浴介護動作のモデル化による身体負担と作業姿勢に関する実験的研究
徳田 哲男児玉 桂子入内島 一崇新田 収
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1997 年 12 巻 1 号 p. 3-10

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抄録
特別養護老人ホームにおける入浴介護動作を3種類のモデル作業(巧緻性,定圧移動,重量物運搬)に置き換え,現役寮母12名(22~55歳,平均38歳)を対象に,身体負担や作業姿勢について計測,評価した。作業面高は各モデル作業とも6種類の身体寸法比の高さと,適正作業面高を加えた7種類とした。実際の入浴現場での要素動作とモデル作業の類似度は,双方の間に強い関連性を認めた。適正作業面高はモデル作業の種類により差を認めたものの,いずれの作業も上前腸骨棘高付近を上限に,それよりも10%程度低い範囲までを適正とした。適正な作業面高は身体的負担の増加を抑制させ,作業成績の向上を招来させた。上前腸骨棘高比60%の作業面高による立位姿勢群は,そのほかの姿勢群に比較して腰椎部の負担が強まることから,この高さ以下では膝立ち姿勢などによる作業が推奨される。
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