理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
12 巻 , 1 号
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  • 徳田 哲男, 児玉 桂子, 入内島 一崇, 新田 収
    1997 年 12 巻 1 号 p. 3-10
    発行日: 1997年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    特別養護老人ホームにおける入浴介護動作を3種類のモデル作業(巧緻性,定圧移動,重量物運搬)に置き換え,現役寮母12名(22~55歳,平均38歳)を対象に,身体負担や作業姿勢について計測,評価した。作業面高は各モデル作業とも6種類の身体寸法比の高さと,適正作業面高を加えた7種類とした。実際の入浴現場での要素動作とモデル作業の類似度は,双方の間に強い関連性を認めた。適正作業面高はモデル作業の種類により差を認めたものの,いずれの作業も上前腸骨棘高付近を上限に,それよりも10%程度低い範囲までを適正とした。適正な作業面高は身体的負担の増加を抑制させ,作業成績の向上を招来させた。上前腸骨棘高比60%の作業面高による立位姿勢群は,そのほかの姿勢群に比較して腰椎部の負担が強まることから,この高さ以下では膝立ち姿勢などによる作業が推奨される。
  • 竹井 仁, 岩崎 健次, 柳澤 健, 江原 晧吉
    1997 年 12 巻 1 号 p. 11-16
    発行日: 1997年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    活動時心拍指数(Beats Above Baseline Index:以下BABI)は,運動課題の難易度を課題達成に要した時間と心拍数変化から評価する方法である。本研究の目的は,BABIのテスト―再テストの信頼性や酸素摂取量との規準関連妥当性を検討することにある。対象は脚長差のない健常成人16名で,課題は7種類の踏台昇降とし,快適速度で30往復実施した。結果,BABIのテスト―再テストの高い信頼性は確認できたが,BABIとMETsとの規準関連妥当性は今回の課題では明確にならなかった。またBABIは各課題に関する多重比較検定より,難易度別に4グループに分類できた。よって各グループから1課題の合計4課題を用いて運動能力を計測することで,訓練効果の判定や補装具の効果などを評価することが可能になると考える。今回の結果から,踏台昇降を用いた定常状態に達する課題でも信頼性が確認出来たことは,BABIが様々な課題に応用できる可能性を示唆するものである。
  • 阪井 康友, 籾山 日出樹, 安齋 登紀子, 福原 奈津子, 上田 眞太郎
    1997 年 12 巻 1 号 p. 17-21
    発行日: 1997年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    パーキンソニズムの呼吸機能の障害に対し,腹臥位による呼吸機能管理の有効性について検討を行った。検査は,パーキンソニズム10例(呼吸障害は拘束性:全例,閉塞性:9例)を高さ20cmの三角形のマット上に,on elbows肢位で腹臥位を10分間保持させ,前後の呼吸機能および胸郭拡張性の測定を行った。測定肢位は下肢屈曲位の安静背臥位とし,呼吸機能検査はスパイロメーターを,胸郭拡張性は最大吸気・呼気の胸郭周径(腋窩位,乳頭位,剣状突起位)の差をメジャーによって測定した。結果は,上部胸式呼吸パターンを中心に%VC(%肺活量),FEVLO%(1秒率),および胸郭の拡張性を有意に増加させ,パーキンソニズムの呼吸管理に簡便で有効な手段と確信した。
  • 佐藤 哲哉, 阪井 康友, 福原 奈津子, 上田 眞太郎
    1997 年 12 巻 1 号 p. 23-28
    発行日: 1997年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    パーキンソニズムの姿勢反応障害は日常生活(ADL)の障害をきたし,転倒の誘因ともなっている。そこで我々はパーキンソニズムの立位姿勢反応障害の推定とその特徴の検討を目的に,後方外乱によるPostural Stress Testを施行した。後方外乱刺激には,1.0%体重量による60cmの落下エネルギーを用い,刺激直後の前後重心動揺を経時的に測定を行った。加えて,20秒間の静止立位の重心動揺測定も行った。対象はパーキンソニズム10例および健常者10例で,結果はパーキンソニズムのADL障害の重度化に伴って,後方外乱刺激から平衡反応までの潜時時間は遅延し,この時の後方重心移動距離も延長した。パーキンソニズムの姿勢反応障害の特徴は,静止時のS.D-Areaでなく,後方外乱によるPostural Stress Testに対しての反応を示唆し,臨床評価にその有用性を明らかにした。
  • 斎藤 昭彦
    1997 年 12 巻 1 号 p. 29-34
    発行日: 1997年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    理学療法士は患者から得られた痛みの場所という一つの主観的情報から,その原因となる解剖学的構造についての仮説を形成する必要がある。これらの仮説は,主観的検査,客観的検査,治療によって検証されていく。しかしながら,知識および経験なしに適切な解剖学的構造を列挙することは必ずしも容易ではない。本論では,臨床において比較的多い肩関節周囲の痛みに関して,その痛みの場所から原因として考えられる解剖学的構造および客観的検査において見いだされる所見について記載し,効率的な臨床推理に寄与することを目的とする。
  • 國井 麻里, 黒澤 美枝子
    1997 年 12 巻 1 号 p. 35-45
    発行日: 1997年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    インスリン作用不足に基づく多様な代謝異常症候群をまとめて糖尿病と呼ぶ。本稿では,インスリンの生理作用を中心に血糖調節について述べ,糖尿病の分類とその成因について解説した。そして,糖尿病の診断で用いられる臨床検査法を紹介すると共に,糖尿病に伴う主な合併症や,その臨床検査法についても触れた。
  • 鈴木 正彦
    1997 年 12 巻 1 号 p. 47-51
    発行日: 1997年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    薬物療法下の患者に理学療法を行うことも多いが,両療法は独立して作用するのではなく相互に影響しあう。本講座の1回目として,薬物動態およびそれに対する理学療法の影響を概説した。薬物動態は,吸収,分布,代謝,排泄の4つ段階に分けられ,吸収の過程を示すバイオアベイラビリティ,全身分布状態を示す分布容積,代謝および排泄による薬物の消失を示すクリアランスという変数があり,これらは理学療法によって変化する。大部分の薬物でその効果は血中濃度とよく相関するが,これは薬物動態によって決まるため,薬物の効果は理学療法によって変化することになる。特に理学療法中に薬物の有害作用が現れた際には理学療法の薬物動態に対する影響を考える必要がある。
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