抄録
健常成人女性9名に対してアイスパック,コールドパック,持続的冷却装置による3種類の寒冷療法を行い,皮膚温の変化について検討した。その結果,コールドパックと持続的冷却装置では,冷却開始直後の皮膚温低下はコールドパックの方が有意に低下したが,冷却終了時にはほぼ同値を示した。また,冷却終了後の皮膚温上昇も同様な経過を示した。アイスパックによる冷却では,持続的冷却装置およびコールドパックより有意な低下を示した。冷却終了直後の皮膚温上昇は他の冷却方法より大きかったが,30分以降は同様な経過を示した。各々の冷却特性や使用環境を考慮することにより,急性外傷に対する寒冷療法として有用と考えられた。