1999 年 14 巻 2 号 p. 55-59
最大歩行速度を測定するのに,最も速い速度に至るために必要な歩行路の距離を明らかにすることが本研究の目的である。健常成人18名を対象に,10m,30m,60m,120m,210mの5通りの異なった歩行距離を歩行させた。それぞれの歩行における所要時間,歩数,心拍数を測定した。これらの測定値はいずれも歩行速度と2次曲線的関係にあった。そして,この2次多項式回帰曲線から最も最大となる歩行速度を求めたところ,歩行距離は108m,測定時間が33秒,歩数は113歩,心拍増加数は68拍毎分となるような歩行条件が望ましいことが明らかとなった。