1999 年 14 巻 2 号 p. 69-72
当院では,平成9年度より特発性側弯症の早期発見,早期治療,治療の継続のための地域ネットワークづくりとして,地元中学2校において側弯症学校検診を開始した。検診は視診法にて理学療法士が行い,低学年ほど基準を厳しくした。その結果1,2年生が14.5%,3年生が2.7%の発見率であったが,受診者においてCobb角15度以上の発生率は0.66%であり諸家の報告と差がなかった。検診の際,cutting off pointの設定により発見率は変化するが,特発性側弯症はmultifactorialな疾患であることから,検診では単に軽症例を除去するのではなく,症例に応じた指導へつなげる必要があると思われる。今回,学校検診にPTが参加した結果,周辺への啓蒙効果もみられ,予防にもつながった。