2008 年 69 巻 2 号 p. 121-131
青森県津軽半島の屏風山湖沼群の26湖沼から,7科29種のミジンコ類が確認された。この標本を用いて,日本から2回目の記録となるコブオカメミジンコSimocephalus lusaticus Herrの再記載を行うとともに,ネコゼミジンコCeriodaphnia quadrangula (O. F. Müller)に見られた形態変異を記載した。ミジンコ類の種多様性は,植生が豊富で底質に植物遺骸が堆積している湖沼で高まる傾向があった。屏風山湖沼群のミジンコ群集は,浅く水中植生が豊富な環境を反映して,浮遊性種が少なく,付着・匍匐性種が多いという特徴がある.