2016 年 78 巻 1 号 p. 97-103
洪水によってもたらされる栄養塩の負荷が年間の総負荷量に対してどの程度の割合になるのかを調べるため,2010年7月1日から2011年6月30日までの1年間,斐伊川の神立橋において毎日採水を行った。降水量と流量の関係を調べたところ,貯留関数法による1降水と流出高の良い関係式(R2=0.87)が得られた。調査を行った1年間に200 mmを超える降水が3回あり,これら3回によってもたらされた降水量は年間降水量の41.3%であった。流量は年間流量の34.8%であった。全窒素及び全リンの負荷量は年間の総負荷量の40.7%及び62.2%であった。全リンの負荷量が全窒素のそれよりも大きい理由は全リンの方が流量依存性が高いためであった。