平成28年熊本地震の震源に近い地域の12地点において,地震による地下水水質への影響を明らかにした。筆者らが行ってきた地震前後の約3年間における隔週~月毎の水質モニタリングの結果から,地震前後における各水質成分データの差を統計的に評価し,水質の特徴と変化をヘキサダイアグラムで視覚化するとともに非階層的クラスター分析にて評価した。その結果,ヘキサダイアグラムの形が大きく変わるほどの変化は認められないものの,計9地点の地下水において地震前後で水質に有意な差があると判定され,地震による影響の可能性が示唆された。また,地下水湧水域では影響が数ヶ月遅れて現れた可能性が考えられた。一方,水質が変化したと判断された地点と震源地や断層などとの地理的な関係は見いだせず,地震によって水平・鉛直方向にずれが生じた範囲の任意の地点において地下水水質の変化が生じた可能性が示された。