日本有数の人口密集地である東京都品川区北品川地区・南品川地区の浅層地下水を対象に,都市の地下水の起源(涵養源)について検討した。都市の地下水形成に果たす降水,水道漏水,下水漏水3成分の割合(寄与率)を,Cl-濃度とδ18Oに基づく混合解析により算出した。その結果,3成分いずれも地下水の重要な涵養源となっていることが明らかとなった。北品川地区と南品川地区を比較した結果,北品川地区において下水漏水の地下水涵養に果たす寄与率がより高かった。両地区の地下水で下水漏水の寄与率が異なる原因は,公共下水道の敷設年代と関係する可能性が示唆された。水道漏水は北品川地区の地下水で寄与率が高くなる傾向がみられた。降水も両地区の地下水の重要な涵養源となっており,特に南品川地区の地下水でその寄与率が高かった。降水は地表面からの浸透だけでなく,老朽化した下水管の地下破損部からの漏水・浸透を通じ,地下水を直接涵養しているものと考えられる。