日本臨床外科医学会雑誌
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胃ポリープ癌を伴つたPeutz-Jeghers症候群
三島 秀雄田伏 克惇岡村 貞夫河野 暢之勝見 正治宇多 弘次
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1978 年 39 巻 6 号 p. 987-995

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抄録
Peutz-Jeghers症候群は比較的稀な疾患とされてきたが,本邦でも長洲らの報告以来1975年宇都宮の集計によると既に200例以上をかぞえている.一方本症候群の場合ポリープの癌化は比較的稀とされているが,我々は胃ポリープの癌化を考えさせ,かつ胃ポリープ癌の十二指腸球部への嵌頓をきたした興味ある症例を経験したので報告する.症例は13歳の男児で嘔吐,腹痛を主訴として入院.家族歴で父親及び弟に口唇の色素斑を認め,父親は肺癌で死亡.又弟は本症候群による腸重積で手術を施行している. X線検査で十二指腸球部に手拳大の陰影欠損を認め,口唇,手掌,足蹠に黒色色素斑がみられた.手術の結果胃幽門洞のポリープの十二指腸球部への嵌頓及び小腸の3カ所にポリープを認めた.小腸ポリープは組織学的には良性の腺腫様ポリープであったが,胃ポリープはtubular adenocarcinomaで,ポリープの約80%を占めていた.術後7カ月後再発し, 1年7カ月後死亡した.
本症候群のポリープの悪性化に関して興味ある症例と思われたので文献的考察を加えて報告した.
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