日本臨床外科医学会雑誌
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胆嚢癌の病理組織学的考察
-特に胆嚢粘膜の腸上皮化生(十二指腸化)に関連して-
松峯 敬夫久保田 芳郎山岡 郁雄佐々木 仁也青木 幹雄瀬戸 輝一
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1978 年 39 巻 6 号 p. 927-934

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抄録
手術および剖検により得られた担癌胆嚢標本17例(手術16例,剖検1例)について,特に化生組織の組織学的検索を行つた.その結果,非癌部では82.4%(14例)に偽幽門腺(偽Brunner腺),73.3%(12例)に杯細胞,47.1%(8例)に腸クローム親和細胞が見出された.これらの検出頻度は,先に報告した良性慢性胆嚢炎例に比べいずれも高値であつた.一方,癌巣部では,17.6%(3例)に偽幽門腺(偽Brunner腺)細胞型癌細胞,29.4%(5例)に杯細胞型癌細胞,17.6%(3例)に腸クローム親和細胞型癌細胞,29.4%(5例)に類表皮細胞型癌細胞が観察された.杯細胞型癌細胞は,腸クローム親和細胞型と共に吸収上皮細胞型癌細胞間に介在するが,このような癌巣の構造は腸上皮に類似し,腸型癌と呼び得るものであつた.またこのなかには,その深部に偽幽門腺型腺管の形成を伴い,十二指腸に似た構造を示すものが認められた.胆嚢粘膜は炎症に続く再生機転を介し,次第に小腸(とりわけ十二指腸)に似た形態に変化して行くが,おそらく腸型癌はこのような分化傾向を有する再生粘膜より生じ,更に周辺粘膜をなぞらつた癌巣自体の分化(化生)により,腸上皮に似た形態に推移レたものと理解される.
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