日本臨床外科医学会雑誌
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早期食道癌の2例
藤田 秀春山口 明夫草島 義徳宮崎 逸夫中島 良明岡田 保典
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1980 年 41 巻 3 号 p. 460-464

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抄録

早期食道癌の2例を経験したので報告した.症例1は53歳男子でImに位置する表在隆起型で,上皮内進展を伴っていた.郭清したリンパ節は49個で,転移を認めず,癌は高分化癌扁平上皮癌で深達度はsm, ly(-), v(-)であった.術後ブレオマイシン100mgとPSKの投与を行っている.
症例2は63歳男性でEi上部に存在する潰瘍型の癌であった.境界部は正常粘膜におおわれ,あたかも,粘膜下に浸潤した腫瘍の表層が崩壊したような形で潰瘍が形成されていた.摘出リンパ節は18個で転移を認めず,組織学的には低分化型の扁平上皮癌で,深達度はsm, ly(-), v(-),であった.

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