日本臨床外科医学会雑誌
Online ISSN : 2189-2075
Print ISSN : 0386-9776
ISSN-L : 0386-9776
膵頭十二指腸切除術の検討
奥山 正治阿曽 弘一
著者情報
ジャーナル フリー

1980 年 41 巻 3 号 p. 469-475

詳細
抄録

膵頭十二指腸切除術は,今日まで数多く行なわれ,その手術術式や手術成績に関しても数多くの研究者によりしばしば報告されてきた.しかし,このような手術を行なう際,外科経験の浅い術者と長年経験を積んだ術者との間では,手術所要時間,輸血量,出血量,手術成績,術後退院までの期間,術後合併症,予後にどのような差がみられるかについて検討した報告は数少い.そこで著者は,これまで行なわれた16例の膵頭十二指腸切除術について,外科経験10年未満の術者によって行なわれた症例と外科経験10年以上の術者によって行なわれた症例との2群に分け,まず,症例のrisk factorとして,年齢,性差,手術適応,黄疸の有無,病悩期間,ビリルビン値,耐糖試験,既往の手術,腫瘍の大きさ,進行度について両群を比較した上で,上記項目について両群の差を検討した.その結果は当然ながら経験年数10年以上の群がすべての項目において1日の長がみられた.

著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top