日本臨床外科医学会雑誌
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胃癌におけるリンパ節転移度の検討
加辺 純雄大森 幸夫本田 一郎武藤 輝一
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1984 年 45 巻 2 号 p. 124-129

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抄録
深達度mの癌を除き,治癒切除が施行された胃癌338例,所属リンパ節10,134個(1例平均30.0個)を用い,リンパ節転移度(転移リンパ節個数/摘出リンパ節総数)の臨床病理学的意義につき検討した.
転移度を0%.陽性で25%以下, 25%を超え50%以下, 50%を超えるものの4群に分け, 5年生存率ならびに他の予後規定因子との関係を調べ次の結果を得た.転移度の上昇にともない: 1) 5年生存率は73.0%, 43.4%, 22.6%, 7.4%と減少した; 2) n番号が上昇した; 3) 転移リンパ節個数が増加した; 4) sinus histiocytosisが減少した; 5)肉眼型でO型, 1型, 2型が減少し, 3型, 4型が増加した; 6) 組織型でtub1,とtub2が減少し, porが増加した; 7) 予後的漿膜面因子でps(-)が減少し, ps(+)が増加した; 8) 間質リンパ球浸潤が減少した; 9) stage IVの頻度が増加した.
以上より,リンパ節転移度による定量的検討方法は,他の予後規定因子ともよく相関する優秀な予後規定因子であり,胃癌の生物学的特性をよく表現するものと思われる.
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© 日本臨床外科学会
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