抄録
66歳の男性で黄疸を主訴として来院. PTCにて左右主肝管から総肝管にかけて狭窄を認め,肝外胆管切除術兼肝門部肝管空腸吻合術が施行された.術後第25病日に大量の下血と発熱が出現し,以後間欠的に同症状が繰り返し出現した.腹腔動脈造影により,固有肝動脈に発生した肝動脈瘤による出血と診断し,ただちにembolizationを施行した.約1ヵ月後の血管造影で肝動脈瘤の消失を確認し退院した.
肝道系手術後の肝動脈瘤および肝内肝動脈瘤に対して, embolizationは安全かつ有効な治療として適応があると考える.