日本臨床外科医学会雑誌
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腐蝕性食道狭窄症に対し食道全摘・結腸移植を行った1幼児治験例
江上 格渡辺 章清水 康仁吉行 俊郎松田 健内藤 善哉高井 淳山下 精彦恩田 昌彦桜井 恵大塚 敏文香川 隆男
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1988 年 49 巻 2 号 p. 304-309

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抄録
小児の腐蝕性食道狭窄に対し食道全摘・再建を行った1例を経験した.報告例は非常に少なく文献的考察を加え報告した.
1歳8カ月男児,カセイソーダを誤飲しショック状態となり当院救命救急センターに収容され,全身状態が改善した後当科へ転じた.受傷1カ月後食道全長にわたる高度狭窄と潰瘍形成が見られたため手術を行った.食道全摘し右半結腸移植による食道再建を順蠕動,胸骨後で行った.頸部の食道結腸吻合は2カ月後に2期的に行ったが,術後3週に狭窄症状が出現したため, 2カ月半後に狭窄部解除の手術を行った.狭窄部縦切開しstent tubeとしてT-tubeを使用し横に縫合閉鎖した. T-tube抜去し術後1カ月より拡張術を計4回行い,受傷後約9カ月で軽快退院した.退院後,狭窄症状が出現したが拡張術により容易に軽快した.長期にわたる経過観察が必要だがほぼ満足すべき結果を得ることが出来た.
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