日本臨床外科医学会雑誌
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胃癌術後に発症した乳頭部癌の1例
尾関 豊鬼束 惇義林 勝知広瀬 光男下川 邦泰
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1988 年 49 巻 2 号 p. 310-315

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抄録
胃癌手術1年後に閉塞性黄疸にて発症した乳頭部癌の1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告した.
症例は51歳女.早期胃癌(P0H0n1 (+) m, stage II)で胃全摘術施行. 1年後に肝機能異常,黄疸をきたした. 1年半後に近医にて内瘻術を受け,この時,乳頭部の腫瘍を指摘された.腹部超音波検査, CTでは胆道系に病変を描出できず,胆道造影では総胆管末端部に圧排像を認めた.膵頭十二指腸切除術を施行.十二指腸乳頭は正常大で,中心に潰瘍形成を認めた.胆管と膵管は同時開口型で,乳頭部膵管は全周性に白色硬化し, 10×10×4mmのドーナツ状の腫瘍形成を認めた.総胆管末端はこの腫瘍により圧排されていた.組織型は中分化型管状腺癌, d2, panc0であった.
胃癌術後で十二指腸乳頭が内視できない場合,乳頭部癌の診断は困難である.諸検査にて診断が確定しない場合でも,手術不能の所見がない限り,再手術を考慮すべきである.
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