日本臨床外科医学会雑誌
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腸重積症を合併しイレウス症状を呈した虫垂粘液嚢胞の1例
岩下 清志川村 一彦
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キーワード: 虫垂粘液嚢胞, 腸重積症
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1988 年 49 巻 2 号 p. 321-324

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抄録

虫垂粘液嚢胞は比較的まれな疾患で,特に腸重積症を合併した症例は少ない.最近我々は,上行結腸に重積し,イレウス症状を呈した虫垂粘液嚢胞の1例を経験したので報告する.
症例は69歳女性で,腹痛,嘔吐を主訴に来院,イレウスの診断にて緊急手術を施行した.虫垂粘液嚢胞が先進部となって回腸が上行結腸から横行結腸近くまで重積していた.
虫垂粘液嚢胞に腸重積症を合併した症例は少なく,本邦では現在までに10数例の報告をみるにすぎないので,若干の文献的考察を加えて検討した.

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