日本臨床外科医学会雑誌
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大腸脂肪腫の2例
太田 大作尾崎 彰古瀬 光
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1988 年 49 巻 2 号 p. 325-330

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抄録
大腸脂肪腫は従来,稀な疾患であったが,最近,その症例数は増加してきた.しかし,その診断率は低く,過大な手術を受ける症例が多い.今回2例の大腸脂肪腫を経験し,診断面において若干の知見を得たので報告する.
症例1は53歳男性.注腸造影にて横行結腸の重積症と診断.超音波検査にてhyper echoicな円形の腫瘤を認めた.腫瘤を含め結腸部分切除を施行.術後,病理学的に脂肪腫と判明した.
症例2は44歳男性.注腸造影にて下行結腸に鶏卵大の腫瘍を認めた.腫瘍のCT値は脂肪組織に一致した.超音波検査ではhyper echoicな円形の腫瘤像で症例1に類似した.以上より脂肪腫と診断し,腫瘍のみの摘出を行った.術後の病理学的診断も脂肪腫であった.
大腸脂肪腫は良性疾患であり腫瘍のみの摘出が理想的である.そのためには診断率の向上が望まれる.新しい診断法の確立,症例の集積が必要であるとともに,臨床医が本疾患の存在を認識することが大切である.
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