日本臨床外科医学会雑誌
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両側大腿および右膝窩動脈瘤の1治験例
江里 健輔竹中 博昭藤岡 顕太郎秋本 文一中村 丘西山 利弘
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1988 年 49 巻 2 号 p. 378-382

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抄録
多発性末梢動脈瘤は稀な疾患である.症例は70歳,男性で,右下腿部痛を主訴として来院した.両側大腿部および右膝窩部に拍動性腫瘤を触知した.両側大腿動脈瘤には瘤切除・Cooley double velour人工血管で血行再建を行った.膝窩動脈瘤には二次的塞栓形成を予防するため,自家大伏在静脈で膝窩動脈をバイパスし,瘤直上,直下で膝窩動脈を結紮した.術後経過良好で術後4年4カ月の現在血行再建路は開存している.
末梢動脈瘤の血行再建は比較的容易である.しかし,動脈瘤で血栓塞栓を合併したものや破裂したものの治療成績は不良である.とくに,膝窩動脈瘤破裂症例の多くは血行再建されても,肢切断となることが多い.したがって,末梢動脈瘤の手術適応は瘤の大きさのみで決定されない.診断され次第,瘤切除あるいは瘤空置・血行再建を行うべきである.
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