日本臨床外科医学会雑誌
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表皮様嚢胞(粉瘤)より発生したと考えられる扁平上皮癌の1例
佐々木 襄川口 正晴武藤 寛渡橋 和政森田 悟渡 正伸神田 未視米原 修治
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1988 年 49 巻 2 号 p. 383-388

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抄録
表皮様嚢胞(粉瘤)は日常ありふれた良性皮膚腫瘤であり,悪性化することは極めて稀であるが,著者らは長年放置した表皮様嚢胞から発生したと考えられる扁平上皮癌症例を経験した.症例は78歳,男性.約60年来右殿部に皮膚腫瘤があって次第に増大し,初診2カ月前から難治性瘻孔を形成した.初診後2週目に入院した時には,瘻孔から肉芽様腫瘍組織が膨出し,同側鼡径部リンパ節の腫脹を認めた.腫瘍切除とリンパ節郭清を施行し病理組織学的検査の結果,表皮様嚢胞から発生したと考えられる扁平上皮癌であり,リンパ節転移も認められた.所謂粉瘤の悪性化は極めて稀ではあるがあり得るので,放置しないで切除することが望ましい.文献上本邦では25例余が報告されている.
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