日本臨床外科医学会雑誌
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虫垂へ穿破した右総腸骨動脈動脈瘤の1例
伊藤 正祐蓮見 昭武中野 孚中西 英和小西 高義橋村 宏一林 収鈴木 治郎丸田 守人青木 春夫渡辺 浩次入山 正
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1988 年 49 巻 2 号 p. 372-377

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抄録
虫垂へ穿破して大量下血をきたした右総腸骨動脈動脈瘤の1経験例につき報告する.
症例は69歳男性,下血ショックのため緊急手術を施行したところ,右総腸骨動脈に発生した鶏卵大の粥状硬化性動脈瘤が虫垂体部に強固に癒着・一塊化した所見を認め,虫垂切除および動脈瘤部分摘除・縫縮術を施行し,一旦は救命し得た.しかし術後6カ月に残存動脈瘤部の再発によるS状結腸穿破・再度の下血ショックをきたし,瘤全摘除および両大腿動脈間bypass作成の緊急再手術を施行したが,術後3日目に腎不全のため死亡した.
本邦における腹部動脈瘤-下部消化管瘻の過去の報告例は10例に過ぎず,特に総腸骨動脈動脈瘤-虫垂瘻の症例は,本例が初めての報告である.大量消化管出血によって急激に発症することの多い本症に対しては,諸検査に時を費やすよりも,緊急に瘤摘除・血行再建術を施行することが,唯一の救命手段であると考えられた.
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