抄録
われわれはStage IV進行胆嚢癌症例14例の内,切除不能症例6例に対し1986年11月より5-FU, ADM, MMC及びLipiodol (FAM-Lipiodol)を用いた肝動脈動注化学療法(HAI)を施行した. HAIに使用したカテーテルの先端は固有肝動脈に留置された.成績はPR 1例. MR 2例, NC 3例で,固形癌判定基準での奏功率は16.7%であったが, MR以上が50%を占め,良好な成績を得た.またHAIにおけるP+やS3症例での平均生存期間はそれぞれ9.75±6.3カ月,中央値10.5カ月であった.さらにP+かつS3の高度進行胆嚢癌で切除不能であった症例において16カ月以上の生存例が2例認められた. One shot時に全例に発熱と嘔気が認められたが,重篤な症状を呈することはなかった.
以上より,われわれが行っているFAM-Lipiodol肝動脈注化学療法は有効で,副作用が少ないものであると考えられた.