日本臨床外科医学会雑誌
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胃癌と他臓器癌重複症例の検討
五百蔵 昭夫佐古 辰夫川北 直人福本 巧西田 禎宏中江 史朗中本 光春西尾 幸男裏川 公章川口 勝徳植松 清
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1992 年 53 巻 1 号 p. 23-30

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抄録
神戸労災病院で過去15年間に施行された胃癌切除数は720例で,うち同期間における他臓器との重複癌数は44例(6.1%)であった.
これら重複癌症例は男性28例,女性16例で,平均年齢では胃癌単独例より高齢であるが,重複癌症例の女性は他と比較して若年傾向を認めた.
重複癌の発現間隔は1年以内のものを同時性重複癌とすると17例(38.6%)それ以上長期間のものを異時性重複癌とすると27例(61.4%)で,これらの平均間隔は男性に比し女性で長い傾向を認めた.
胃癌と重複する最も多い他臓器癌は男性では結腸癌11例(39.3%),女性では乳癌が7例(43.8%)で,全体としては結腸癌が14例(31.8%)と最も多く,乳癌,直腸癌の順に続いた.
5年の遠隔生存率では,胃癌単独例の40.8%に比し,重複癌例は25.0%と予後が有意に悪かった(p<0.05).
重複癌全体の死亡数は34例で,原因臓器は胃癌より他臓器癌が多くみられた.直接の死因は癌性腹膜炎,重要臓器転移が目だち,他病死は14例にみられた.
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