抄録
胃癌の術式別,再建法別にquality of life (QOL)を調べるため, (1) 治癒切除された, (2) 術後1年以上7年以下経過し, (3) 癌再発のない患者にアンケート調査を行った. 183例に郵送し132例から回答を得た.癌認識の有無は,手術をうけた病名を患者自身に明記させ, “胃癌”と解答した例を癌と認識している例とした.体重変動は幽門側切除に比べ胃亜全摘・胃全摘に,再建法ではBillroth I法に比べBillroth II法に,全摘では空腸間置に比べRoux-en Y法に体重減少が多かった.すなわち生理的な再建法では,体重減少は比較的少なかった.愁訴については下痢や腹痛が全摘,特にRoux-en Y法の再建例に多かった.
癌と認識することが術後のquality of lifeにどのように影響するかについて検討したところ,生きがいと気力とも影響をうけ, 65歳以下の社会復帰率は認識例75.8%,非認識例88.0%と癌と認識している患者で低下しており,勤労年齢におけるquality of lifeへの影響が示唆された.