日本臨床外科医学会雑誌
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乳腺アポクリン癌の1例
都築 尚生大橋 大造入谷 勇夫岸本 秀雄小川 弘俊中村 従之織田 誠
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1992 年 53 巻 10 号 p. 2374-2378

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抄録
症例は68歳の女性,左乳房のしこり及び乳頭分泌を主訴に来院.初診時左乳房C領域に5×4cmの腫瘤を触知,多量の膿様乳汁を認めた.マンモグラフィーでは境界不鮮明な腫瘤陰影を, USでは長径約4cmの不整形で内部不均一なlow echoic areaを,サーモグラフィーでは腫瘤を取り囲む不整なvascular hyperthermiaを認めた.乳汁分泌細胞診は偽陽性,乳汁中のCEAは104ng/mlと低値であった.以上より悪性が疑われ生検を施行,病理組織診断は非浸潤性アポクリン癌であったため,定型的乳房切除術を施行した.
乳腺アポクリン癌は乳癌取扱い規約の組織学的分類で,浸潤癌・特殊型に含まれ,非浸潤性アポクリン癌という組織型は規約の上からは存在しない.しかし,今回我々は非浸潤性乳管癌の型をとりながら強いアポクリン化生を示し,非浸潤性アポクリン癌と診断せざるを得ない非常に稀な症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.
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