抄録
われわれは,手術にて診断された胸壁発生のPseudolymphomaの症例を経験したので報告する.
症例は65歳,男性.健康診断にて胸部異常陰影を指摘され,腫瘤摘出術を施行.切除標本にてPseudolymphomaと診断した.術後1年経過した現在のところ再発の所見はない.
Pseudolymphomaは肺,皮膚,唾液腺など種々の臓器に発生すると報告されているが,胸壁より発生したPseudolymphomaの報告は現在のところ見られない.また,組織学的に節外性リンパ腫と類似しているが,浸潤するリンパ球の異型性はきわめて低く,予後良好な疾患といわれている.しかし,術前に悪性リンパ腫との鑑別が困難で,さらに,診断後に悪性化する症例も報告されている.よって,その治療方法は外科的切除を第一選択とした方が良いと考えられるが,腫瘤が小さく,症状がない場合は,保存的治療にて経過観察することも可能と考えられる.いずれにしても,厳重な経過観察を行っていく必要があると思われる.