抄録
きわめて予後不良であった大腸未分化癌(endocrine cell carcinoma)の1症例を経験したので報告する.症例は, 43歳男性で血便を主訴に来院した.注腸造影にて下行結腸に陥凹をともなう隆起性病変を認め,生検により未分化癌であったため左半結腸切除術およびリンパ節郭清術(R3)を施行した.切除標本にて腫瘍は2.8×2.5cm高さ1.3cmの山田III型のポリープ状であったが,深い陥凹があり花の蕾の形態をしていた.病理組織学的に詳細な検討を行いendocrine cell carcinomaと診断した.また,組織学的進行程度はpm, n2 (+), P0, H0, M (-), ly3, v0, stage IVであった.術後,免疫化学療法が施行されたが, 129日後には肝および旁大動脈リンパ節転移を主とする広範な腫瘍の転移により死亡した.
大腸未分化癌(endocrine cell carcinoma)は転移浸潤傾向が強くきわめて予後不良の疾患であると考えられた.