日本臨床外科医学会雑誌
Online ISSN : 2189-2075
Print ISSN : 0386-9776
ISSN-L : 0386-9776
甲状腺癌再発手術症例の臨床的検討
迫 裕孝沖野 功次阿部 元小玉 正智中根 佳宏
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 53 巻 11 号 p. 2574-2579

詳細
抄録
過去13年間に当科で経験した甲状腺癌再発例14例を検討した.初回手術は7例が他院で, 7例が当科で行われていた.年齢は平均50.9±16.3歳で,性別は男性4名,女性10名で,組織型はすべて乳頭癌であった.他院での7例の初回手術は核出・部分切除4例,葉切除2例,癌遺残のままの部分切除+根治的頸部郭清1例で標準的手術例は1例もなかった.初回手術から再発までの期間は平均11.2年で, 2例にすでに再手術が行われていた.再発部位は残存甲状腺5例,頸部リンパ節6例,縦隔リンパ節1例,気管・食道各1例であった.核出・部分切除例は全例残存甲状腺再発で,葉切除例は全例リンパ節再発であった.当科での7例の初回手術は1例が生検+radiation, 6例に根治手術が行われた.根治手術6例中5例に頸部リンパ節再発, 1例に皮下広頸筋内再発をみた.再発までの期間は平均1.6年であった.再手術で根治性が得られる症例も多く,積極的に手術する必要があると思われた.
著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top