日本臨床外科医学会雑誌
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乳癌における腫瘍マーカーCA15-3, BCA225, NCC-ST-439の血清および免疫組織学的検討
成田 達彦舟橋 啓臣佐藤 康幸今井 常夫大野 元嗣飛永 純一安藤 広幸宮崎 貢一村瀬 弘高木 弘
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キーワード: 乳癌, 腫瘍マーカー
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1992 年 53 巻 11 号 p. 2580-2585

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抄録
乳癌において有用性が高いとされる3種類の糖鎖抗原腫瘍マーカーCA15-3, BCA225, NCC-ST-439 (ST-439)の比較検討を血清および免疫組織化学的に行った.血清値の検討では,術後例において感度はST-439>CEA>CA15-3>BCA225,特異度はCA15-3=CEA>ST-439>BCA225の順に良好であった. combination assayでは, CEAとST-439にCA15-3またはBCA225の3種類の組合せで原発例の30%以上,術後再発例の80%以上が陽性であった.各アッセイに用いられるモノクローナル抗体を用いた免疫組織化学的検討では,乳癌組織内におけるCA15-3 (DF3, 115D8)とBCA225 (CU18, CU46)の認識する抗原の分布は非常に近似していたが, ST-439の分布はこれらと異なっていた.以上より,乳癌の腫瘍マーカーとしてCEA+ST-439+CA15-3の組合せは,効率がよく,有用性が高いと考えられた.
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© 日本臨床外科学会
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