日本臨床外科医学会雑誌
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総肝管隔壁症の1例
大谷 哲士松木 久川合 千尋
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キーワード: 総肝管隔壁, 胆道狭窄
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1992 年 53 巻 11 号 p. 2767-2770

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抄録
症例は51歳の女性.上腹部痛にて発症し,肝機能異常を呈していたため, ERCPが施行され,総肝管に全周性の狭窄を,また,左右の肝管内に多数の結石を認めた.そのため,上部胆管癌の診断にて開腹したが,同部に腫瘍は存在せず,胆道内視鏡にて総肝管に中心部に小孔を有する膜様の隔壁を認めた.術前に認めた狭窄は隔壁によるものと診断し,隔壁を切除したところ結石が排出され,遺残結石がないことを確認後T-tubeを挿入し手術を終了した.隔壁の組織像は線維芽細胞,膠原線維からなる軟部組織で悪性所見は認められなかった.術後経過は良好で,黄疸や結石の再形成等は認めていない.肝外胆管に隔壁を認める症例は希であり本邦では現在まで35例が報告されているのみである.本邦報告例につき文献的考察を加え報告する.
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