日本臨床外科医学会雑誌
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胆石胆嚢炎,膵炎および脾動脈瘤を合併した成人肝鎌状間膜膿瘍の1例
近松 英二矢野 孝池澤 輝男桜井 恒久近藤 哲二村 雄次脇田 彬
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1992 年 53 巻 11 号 p. 2771-2775

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抄録
極めて稀な肝鎌状間膜膿瘍を経験したので報告する.症例は48歳男性で,右季肋部痛を主訴に入院した.腹部超音波検査およびCTで胆石,膵頭部の腫大,上腹部正中で腹壁に接し門脈臍部付近から臍まで到る腫瘤を認め,また腹部血管造影で脾動脈瘤を認めた.これらより胆石胆嚢炎,膵炎,肝鎌状間膜膿瘍,脾動脈瘤と診断し,手術を施行した.開腹すると,肝鎌状間膜膿瘍を認めた.上縁は門脈臍部付近で切離し,切除した.次いで脾動脈瘤を露出し,瘤を含めて脾動脈を切除した.脾動脈の再建は施行しなかったが,脾の色調に変化を認めなかった.膵は全体にやや硬く,周囲組織と軽度に癒着していたが,仮性嚢胞の形成はみられず,また肝十二指腸間膜,肝鎌状間膜への炎症の波及は認めなかった.最後に胆嚢を摘出し手術を終了した.切除した膿瘍内には緑茶色の膿汁を認め, coagulasenegative-Staphylococcusが検出された.成因は胆嚢炎からの炎症の波及と推察された.
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