日本臨床外科医学会雑誌
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局所進行性甲状腺分化癌に対する拡大手術例の長期治療成績と問題点
杉野 公則呉 吉煥鈴木 章岩崎 博幸吉川 貴己富山 泉松本 昭彦
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1992 年 53 巻 12 号 p. 2835-2837

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抄録

局所進行性の甲状腺分化癌に対する治療方針については一定の見解が得られていない.当教室で手術を施行した局所進行性甲状腺分化癌症例について,長期治療成績と問題点につき検討した.対象は1965年から1989年までの間に当教室において他臓器合併切除を施行した局所進行性甲状腺分化癌28例である.死亡した症例は13例に認められ,原病死10例で他病死3例であった.原病死例の死因は局所病変6例(46.2%),遠隔転移例4例(30.8%)であった. Kaplan-Meier法により求めた5年, 10年, 15年生存率はそれぞれ60.5%, 38.4%, 38.4%であった.この成績は甲状腺分化癌の悪性度を考慮すると満足のいくものでないが,術後早期に死亡した症例は未分化癌に転化した可能性が十分にあり,術後の化学療法や放射線外照射等の補助療法を加える必要があると考えられた.

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