1974年8月より1990年12月までに獨協医科大学第1外科で行った胃十二指腸潰瘍手術は,胃潰瘍115例,十二指腸潰瘍97例,胃十二指腸併存潰瘍23例,吻合部潰瘍3例であった.このうち穿孔により手術を行ったのは胃潰瘍8例,十二指腸潰瘍37例,胃十二指腸併存潰瘍3例であり,穿孔率はそれぞれ7.0%, 38.1%, 13.0%であった.なお胃十二指腸潰瘍併存例の穿孔は,すべて十二指腸潰瘍穿孔であったため,以後十二指腸潰瘍穿孔として検討を行った.胃潰瘍穿孔例と十二指腸潰瘍穿孔例の比率は1:5で,十二指腸潰瘍穿孔例が大半を占めた.性別では1:6で男性に多く,胃潰瘍穿孔例に比較し十二指腸潰瘍穿孔例は若年男性に多かった. Free airの出現率はそれぞれ75.0%, 97.5%であった.突発性上腹部痛は,それぞれ50.0%, 87.5%に認めた.また胃潰瘍穿孔例62.5%,十二指腸潰瘍穿孔例47.5%に潰瘍の既往を認めた.また死亡率は4例(8.3%)であった.