日本臨床外科医学会雑誌
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大腸癌に対する骨盤内臓全摘術の適応と限界
奥山 和明粟野 友太松原 宏昌唐司 則之小出 義雄佐野 友昭中市 人史舟波 裕松下 一之落合 武徳磯野 可一南 昌平北原 宏守谷 秀繁
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1992 年 53 巻 12 号 p. 2884-2891

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抄録

進行および再発大腸癌に対する骨盤内臓全摘術(TPE)の適応と限界を検討した.対象は1959~1992. 5まで切除された原発大腸癌Si, Ai 113例と骨盤内再発33例である.原発癌11例と再発癌10例合わせた21例にTPEを施行した.原発癌Si, Ai 113例のsi, aiの割合は全例で55.8%と低率であるが,骨盤内臓器の子宮,腟,尿管では75%以上と高率である. si, aiで骨盤内臓器合併切除例の5年生存率は57.9% (TPE例: 59.5%, non TPE例: 56.6%)であり,非合併例の10.6%に比較して有意に予後良好である.
従って術前のdynamic CT, MRIでSi, Aiと診断し,腹膜・臓器転移がなく, N2までならew不足を考慮して, TPE (含S2仙骨以下切除)の手術適応ありと判断している.

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