日本臨床外科医学会雑誌
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V-Aバイパス離脱後急性膵炎の1例
川人 宏次井野 隆史安達 秀雄井手 博文水原 章浩山口 敦司
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1992 年 53 巻 12 号 p. 2948-2952

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抄録

症例は67歳,女性.右冠動脈(RCA) #1 100%,左冠動脈(LAD) #7 90%, #9-1 75%,回旋枝(LCX) #14 100%の病変を有する陳旧性心筋梗塞,狭心症に対して3枝バイパスを施行した.右心不全のため人工心肺から離脱不可能となり,静動脈バイパス(VAB)を装着し人工心肺から離脱, 25時間後にVABからも離脱したが術後49日目に敗血症,多臓器不全により死亡した.剖検で腹腔内膿瘍を伴う重症急性膵炎が認められた.開心術後の急性膵炎は一般にまれとされてきたが,補助循環に伴う多臓器不全の一病態として,留意する必要があると考える.

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