日本臨床外科医学会雑誌
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Marlex Sandwich法にて前胸壁再建を行った原発性胸骨軟骨肉腫の1例
山本 満雄石崎 雅浩竹尾 正彦郡 良文小野 一広水野 裕目黒 文朗
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1992 年 53 巻 12 号 p. 2944-2947

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抄録

胸骨原発の軟骨肉腫は比較的稀であり,本邦報告例は,われわれの調べ得た限りでは,本症例を含めて15例であった.
原発性胸骨軟骨肉腫の再発症例に対して胸骨切除後, Marlex meshとPolymethyl-methacrylate (Resin)のサンドイッチ法による補填を行い,ほぼ満足すべき結果が得られたので報告する.症例は, 72歳男性.昭和61年4月に当院整形外科にて胸骨腫瘍摘出術を受けたが,平成2年7月頃より再発のため当科に紹介された.腫瘍は, 7.5×4.0cm大であり,第2肋骨付着部の上で上端を切離し,両側第2, 3, 4, 5, 6肋軟骨を含め胸骨を切除した.多数の小穴をあけたレジン板を作成し,二重にしたMarlex meshにて挟み込み,胸壁欠損部に補填ならびに縫着し,胸壁再建を行った.術後は異物反応もほとんどみられず,順調に経過した.

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