日本臨床外科医学会雑誌
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成人肺動静脈瘻の1手術例
久我 貴之金田 好和縄田 純彦江里 健輔
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1992 年 53 巻 12 号 p. 2957-2960

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抄録

肺動静脈瘻は比較的まれな疾患であるが,近年症例の報告が増加している.症例は54歳男性.胸部異常陰影で当科を受診した. CT, MRIおよび血管造影検査により単発性肺動静脈瘻と診断し手術を行った.瘻摘除術を試みたが,瘻が大きく瘻のみの完全摘除は不可能と判断し,左下葉切除術を追加した.経過良好で術後32日目に軽快退院した.
本疾患には以前では肺葉および肺区域切除術が広く行われていたが,近年肺機能を可及的に温存する目的で瘻摘除術および瘻孔閉鎖術が普及してきた.しかし,本疾患は良性ではあるが,瘻の再発および残存を回避すべきであり,症例により術前検査および術中所見の判断で肺葉および肺区域切除術を施行する必要がある.

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