日本臨床外科医学会雑誌
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縦隔異常陰影で発見された小網嚢胞の1症例
江本 節高尾 哲人中島 信一山口 時雄砂田 祥司植田 隆司藤吉 理夫
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キーワード: 縦隔異常陰影, 小網嚢胞
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1992 年 53 巻 12 号 p. 3027-3032

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抄録

縦隔異常陰影で発見された小網嚢胞の1例を経験したので報告する.症例は52歳,男性.集団検診にて,胸部レ線上,縦隔異常陰影を指摘され,精査目的に当科入院となった. CTおよび血管造影にて小網嚢胞の縦隔内脱出と診断し,開胸,開腹にて手術を施行した.開腹時,小網内に10×6cmの嚢胞を認め,食道裂孔を介して縦隔内に容易に脱出する事を確認した.嚢胞を摘出した後,食道裂孔ヘルニアの発生を予防する目的で, Nissenの胃底部形成術を施行した.病理組織学的には,嚢胞はリンパ管腫であり,悪性の所見は認めなかった.術後経過は良好であった.

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