難治性潰瘍を有する閉塞性動脈硬化症に対し体内埋め込み型動注リザーバーを使用した1例を経験したので報告した.症例は96歳,男性.右第2, 3, 4趾にFontaine IVの潰瘍を認めた.血管造影では膝窩動脈より末梢が閉塞し, run offは不良であった. Lipo PGE1の静注を試みたが改善傾向が認められず,人工血管によるバイパス術も困難と判断し,体内埋め込み型動注リザーバーを留置し, Lipo PGE1の間質的投与を繰り返した.最小限の趾切断術を要したが潰瘍は治癒し,創治癒も良好であった.