抄録
S状結腸癌患者7例および直腸癌患者7例の計14例に対してDouble Stapling Technique (以下DST)による前方切除術を施行した. DSTは1980年, Knightらにより開発された二重器械吻合法である.われわれはこれに若干の工夫を加えて本法を施行し,吻合に関する合併症(縫合不全,狭窄,出血)を1例も認めず良好な成績を得た.したがってDSTの利点(従来法より吻合が低位で可能,容易,安全,迅速確実で,合併症が少ない)を考慮し, DSTは直腸癌に対する低位前方切除術はもちろんのこと, S状結腸癌に対する高位前方切除術にも同様の方法で積極的に施行可能であると考えられた.また術後sigmoid scopeを挿入して吻合部の内視鏡的観察を行い,狭窄及びポケット形成の有無を検討した.その結果,狭窄は1例も認められず,ポケット形成は12例中3例に認められた.