抄録
症例は心窩部痛を主訴とする43歳の男性.胃粘膜下腫瘍の診断で幽門側胃切除術, R2リンパ節郭清術を施行した.切除標本は胃体部から前庭部大弯側後壁寄りに存在する潰瘍を伴う大きさ15.0×8.5×5.5cmの胃内外に発育する平滑筋芽細胞腫で,巨大な出血壊死巣を伴い嚢胞状で760mlの暗赤色の液体を有していた.術後3年10カ月経過するが再発の兆候無く通院している.
1982年,小野らが143例集計しているが,今回それ以降の124例を集計し, A群(出血壊死巣を伴う例)とB群(それ以外の例)に分けて検討を加えた. A群:B群=26:98であり, A群の4例に腹腔内出血を認めた.λ2検定において危険率5%で,両者の年齢分布,性差,腫瘍の占居部位に有意差は無かったが,発育型と大きさに有意差を認めた.つまり,胃外発育型で大きいものほど出血壊死巣の合併率が高いと考えられた.