日本臨床外科医学会雑誌
Online ISSN : 2189-2075
Print ISSN : 0386-9776
ISSN-L : 0386-9776
膵のsolid and cystic tumorの1例 -本邦集計121例の検討-
中島 信久知名 保真喜屋 実佑内野 純一
著者情報
キーワード: 膵腫瘍
ジャーナル フリー

1992 年 53 巻 2 号 p. 424-429

詳細
抄録
膵のsolid and cystic tumorの1例を経験したので報告する.症例は22歳の女性で,上腹部痛を主訴として来院し,右上腹部に手拳大の腫瘤を触知した. USおよびCTにて膵頭部の嚢胞性腫瘍が指摘され, ERPでは主膵管は上方へ著明に圧排されていた.術中所見では腫瘍は線維性被膜で覆われ,周囲とは境界明瞭であり,腫瘍のみを容易に摘出できた.膵実質への浸潤は認められなかった.摘出標本の割面では,嚢胞変性や出血壊死性変化が認められた.病理組織学的には腫瘍細胞は充実性ないし偽乳頭状に増殖し, PAS染色は陽性であった.免疫組織化学的にはα1-antitrypsinに対して陽性を示し,電顕所見では腫瘍細胞はmitochondriaに富み, zymogen様顆粒がみられた.以上よりsolid and cystic tumorと診断された.患者は術後12カ月を経た現在健在である.本邦報告例121例に自験例を加え,その病態および臨床病理学的特徴について検討を加えた.
著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top