抄録
Congenital mesoblastic nephromaは,腎過誤腫の一種で小児では腎腫瘍の7%といわれているが,成人例は極めて稀で,これまで本邦5例,欧米3例の報告がみられるのみである.本疾患は組織学的にも臨床的にも良性の腫瘍であるが,症状及び画像診断上,腎細胞癌との鑑別は困難である.
今回著者らは,この極めて稀な,成人に発生した本症の1例を経験したので報告する.
症例は41歳女性,左上腹部腫瘤を主訴とし,腹部超音波検査, DIP,腹部CTスキャン,腎動脈造影などより腎細胞癌を疑い,左腎摘出及び腹部大動脈周囲リンパ節郭清を施行したが,病理組織学的には, Congenital Mesoblastic Nephromaと診断された.そこで,本疾患の臨床的・病理学的特徴を,若干の文献的考察を加えて報告する.