抄録
遺残坐骨動脈の臨床報告は現在までに欧米で約75例,本邦で17例であり稀な血管系の異常である.症例は28歳の女性で約6年前に左下肢の腫脹,左下肢静脈瘤の精査目的の為,入院し,左遺残坐骨動脈と診断されたが,その時は左下肢静脈瘤に対しstripping術を行った.半年後鬱血症状が再度増強した為,左総腸骨動脈の縫縮術を行い,その後の経過は良好であった.今回,腹部拍動性腫瘤及び再度の左下肢鬱血症状を主訴として来院.腎動脈下腹部大動脈から左坐骨動脈にかけて瘤化を認め, Y字型人工血管置換,坐骨動脈結紮,グラフト左脚-膝窩動脈バイパス術を施行した.病理学的には中膜の変性性疾患と考えられた.